NEWS新着情報

根管治療はしないほうがいい?治療が必要なケースとそうでないケースの違い2025.06.23

「虫歯の痛みが強くて集中できない」「過去に神経を取った歯に違和感がある」とお悩みではありませんか?

虫歯が進行して強い痛みがでた場合や過去に神経を取った歯にトラブルがおこった場合は、基本的に根管治療が必要になります。治療の必要性やトラブルを放置するリスクを理解しておくことで納得のいく結果につながりやすくなるでしょう。

お悩みの方はぜひチェックしてみてください。

根管治療とは?なぜ必要なのか


根管治療とは、歯根の内部にある歯髄や感染組織を除去して特殊な材料で詰める治療です。生きている神経を取る「抜髄(ばつずい)」と過去に神経を取った歯に感染がみられる場合に行う「感染根管治療」の2つに分類され、根管治療をしたあとは人工の土台を立てて被せ物をする必要があります。

虫歯で強い痛みを伴う場合、基本的には神経の近くまで虫歯が進行している、もしくは神経にも感染がみられる可能性が高く、後者の場合は抜髄が必要です。一度取った神経は戻すことができないため、慎重に判断しなくてはいけません。

「根管治療をしない」選択が招く、リスクと症状


根管治療が必要な状態にも関わらず、治療をせずに放置すると以下のようなトラブルにつながることがあります。

強い痛みが続く

虫歯が歯髄にまで達すると強い痛みがでる可能性が高く、鎮痛剤が効かないケースも珍しくありません。日常生活や仕事に支障をきたすこともあるため早めの治療がおすすめです。

歯根膿胞ができる

感染した歯髄を放置すると徐々に痛みは落ち着きますが、自然治癒したわけではありません。歯髄が壊死したことによって痛みを感じなくなったケースがほとんどです。歯の内部では細菌が増殖し続けて、歯根の先に膿を作ることがあるので注意しましょう。その病気を歯根膿胞(しこんのうほう)といいます。

歯槽骨を失う

歯根膿胞は歯槽骨が溶かされてできるものであり、自然治癒することは基本的にはありません。大きくなればそれだけ歯槽骨を失い、周囲の歯のぐらつきを引き起こしたり、抜歯をしたあとの治療に影響したりするため注意が必要です。

とくにインプラントは歯槽骨の厚みが必要不可欠な治療法で、虫歯や歯周病で大幅に歯槽骨を失った部位には打つことができません。

「根管治療をしないほうがいい」と感じる理由


根管治療をしないほうがいい、またはしたくないと感じる主な理由として以下の2つが挙げられます。

治療が長い

根管治療が長くなる理由として「根管内が複雑な形をしていること」と「細菌の取り残しを防ぐためには複数回の消毒が必要なこと」「根管治療後に人工土台や被せ物を行う必要があること」が挙げられます。

歯の神経は木の根っこのように細かく枝分かれしており1回で取り切ることは難しく、真ん中の太い神経を取っても枝分かれした細かい部分は残っているため、それを薬剤を使って処理しなくてはいけません。神経や感染組織の取り残しがあるとトラブルが再発して、根管治療を一からやり直す必要がでてきます。
治療中の仮の詰め物が取れた場合も、なかに汚れが入り込むことで菌が増殖するため、早めに歯科医院へ連絡して対処しましょう。

痛みがおさまった

抜髄をすると徐々に痛みは落ち着いてきますが、痛みがない=治ったわけではありません。ときどき痛みがおさまったことを理由に治療を中断する方がいますが、歯根膿胞につながる可能性が高いため治療の継続をおすすめします。

根管治療以外の選択肢はあるのか?症状に応じた判断基準


根管治療が必要かどうかはくわしく検査してみないと分かりません。患者様が「根管治療が必要かも」と思っていても別の方法で対応できる場合もありますので、放置はせずにまずは一度ご相談ください。

歯髄保護

歯髄は歯を丈夫に保つためには欠かせない組織であり、歯科医院側はあくまで「最終手段」として抜髄を行います。まともな歯科医院であれば安易に取ることはありません。

虫歯が歯髄ギリギリまで進行している場合は、保護剤を歯髄に直接触れないように置いて詰め物を行い、痛みが落ち着くかどうか様子をみます。削っているなかで歯髄が露出した場合であっても、感染がみられない場合は直接保護剤を置いて対処するケースが珍しくありません。

しかし、歯髄保護はかならずしも成功する治療法ではなく、麻酔が切れたあとに痛みがでる可能性も高めです。歯髄保護を行っても強い痛みが続くようであれば抜髄をおすすめします。

抜歯

根管治療は感染組織を除去するぶん歯の厚みを失います。何度も繰り返すことができない治療であり、あまりに厚みが少ない場合は治療をすることで歯が割れる恐れがあるため、そのままの状態で使えるところまで使うという選択をおすすめすることも少なくありません。
完全に歯が割れたり、歯根膿胞が大きくなったりする場合は、ほかの歯を守るために抜歯をすることがあります。

まとめ

根管治療は、強い痛みを取るための治療というイメージが強いですが、歯を残すための最終手段でもあります。神経を取ることで「歯が脆くなる」というリスクはありますが、放置すると抜歯のリスクが高まるほか、周囲の歯にも悪影響を及ぼす可能性が高いため早めに対処するのがいいでしょう。

治療のなかでも難易度が高く、何度も繰り返せない治療法となりますので、トラブルの再発リスクをできるだけ抑えるためにも実績があり信頼できる歯科医院を選ぶことをおすすめします。