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虫歯が再発したらどうなる?
及ぼす影響と再発を防ぐポイントについて解説
2023.09.29

「虫歯が再発したら歯にどんな影響があるの?」と気になったことはありませんか?
歯科治療は、皮膚の擦り傷や切り傷などとはちがい、組織が再生してもとの状態になることはありません。人工物で修復するしか方法がなく、繰り返せばそれだけご自身の歯を削ることになります。
こちらのページでは、再発の危険性や原因、正しい予防法について分かりやすくまとめました。治療後の歯を長持ちさせたい方や、治療を控えている方はぜひご参考ください。

虫歯が再発する危険性について

虫歯治療は歯を修復するものであり、歯を完全にもとの状態にもどすことはできません。治療を繰り返せばそれだけ自分の歯の面積を失うことになり、ヒビや破折といったトラブルのリスクが高まります。とくに神経を取った歯は脆くなるため、注意しなければいけません。
虫歯を発生させない、繰り返さないことが歯を長持ちさせるポイントです。

虫歯が再発する4つの原因

虫歯の再発がおこると残念な気持ちになりますが、詰め物や被せ物の異常や、お手入れの方法に問題があることを知らせるサインでもあります。
原因をしっかり理解して、また繰り返さないよう改善を心がけましょう。

詰め物や被せ物が歯にフィットしていない

保険で製作する詰め物や被せ物のなかには、削った歯の形とぴったり合わないものもあります。そうなる理由として「型取りの質が悪い」「技工士の技術や経験不足」などが挙げられ、セット時に歯科医師が気づいて作り直すケースも珍しくありません。しかし、使用する材料や道具が限られた保険診療では、フィット性の高いものを作るのは難しく、多少のすき間であればセメントで埋めて終える場合もあります。
セメントは徐々に劣化するため何年も使用するとすき間ができ、そこから汚れが入り込んで虫歯が再発します。

お手入れ不足で境目に汚れが残っている

詰め物や被せ物の表面は虫歯になることはありませんが、天然歯の部分はいつ虫歯ができてもおかしくありません。どんなにいい詰め物や被せ物だとしても、天然歯との境目には小さな溝が存在し、そこに汚れが残っていると虫歯が再発します。とくに被せ物は根元を磨かなければ再発をふせぐことが難しいため、注意が必要です。

神経を取っていて痛みを感じない

歯の神経をとると、虫歯や知覚過敏による痛みは基本的に感じません。痛みは危険を知らせる大切なサインであり、失うと自覚症状が減ります。栄養や酸素などが届かないことで枯れ木のように脆くなるため、ほかの歯よりトラブルの発生率が高めです。ヒビや破折、根っこの先に膿が溜まる歯根膿胞という病気にはとくに気をつけなくてはいけません。

定期検診を受けていない

虫歯の再発を防ぐには、異常の早期発見・早期治療につながる定期検診が欠かせません。
お口トラブルの多くは初期段階で痛みを感じないため、患者様自身で気づくことはほぼ不可能です。「痛みを感じないから問題ない」という考えは危険であることを覚えておきましょう。

虫歯の再発を予防する方法

虫歯の再発を予防するには、虫歯を作る菌の活動を抑えたり、数を減らす工夫が必要です。
予防法として以下をご紹介します。今日から始められるものもありますので、ぜひお試しください。

丁寧にお手入れをする

虫歯を防ぐには、歯ブラシだけのお手入れでは不十分です。時間をかけて磨いても全体の6割くらいしか汚れを落とすことができません。デンタルフロスや歯間ブラシで除去率を上げられますので、経験のない方は歯科医院で使い方をマスターすることをおすすめします。
歯と歯の間にフロスが引っかかる場合は、虫歯が再発している可能性があるため、痛みがなくても早めに歯科医院でチェックしてもらいましょう。

定期検診を忘れずに受ける

定期検診では、虫歯の再発を防ぐための検査やクリーニングなどを行います。初期段階のトラブルは自覚症状を感じにくく、進行を防ぐにはプロのチェックが必須です。初期虫歯の場合は、歯を削らずにフッ素を塗って再石灰化(自然修復)を促すケースも少なくありません。歯にダメージを与えないため、寿命が短くなる心配はゼロです。
定期検診は3か月に1回のペースで受ける方がほとんどですが、お口の状態によっては1~2か月に1回をすすめる場合もあります。

糖が多くて粘着性の高いおやつは控える

チョコレートやキャラメルなど糖が多くて粘着性の高いおやつは、うがいや唾液で流れにくく、すき間に入り込むと歯ブラシでは取ることができません。
甘いものが食べたいときは、虫歯のリスクが低い人工甘味料を代用する、もしくはサラッとしていてお口のなかにとどまらないアイスクリームやジュースなどを選ぶようにしましょう。

歯を長持ちさせるために虫歯の再発を徹底して予防しよう

虫歯が再発する原因の多くは「不適合な詰め物や被せ物」「お手入れ不足」「トラブル発見の遅れ」の3つです。
詰め物や被せ物を入れている場合は、境目を意識して丁寧に磨くようにし、すき間がないかを鏡でチェックしましょう。とくに神経をとった歯はヒビや破折といったトラブルがおこりやすく、痛みを感じないことから発見が遅れがちです。大きなトラブルを引き起こさないためにも、間食には気をつけて痛みがなくても定期検診は受けるようにしましょう。

東 寿子

監修者|銀座4丁目東デンタルオフィス 院長
臨床歯周病学会認定医 2007年 3月4日 登録番号194号

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